【ホテル】設定値見直しの推奨:ネットワーク安定稼働2種類の制御
お知らせ事項
今回のお知らせの趣旨は、端的に申し上げますと、
「時代、社会情勢の変化に合わせて、POPCHATの設定値を見直しましょう」
というものです。
- スマホやWi-Fi普及以前からの認証ゲートウェイ装置
- 設定値見直し推奨の機能:セッション制御、帯域制御
- 約10年ほど以前の推奨/デフォルト設定値
- コロナ禍を経た今後のために考慮したい通信量の増大
- POPCHAT-Xシリーズのセッション制御、帯域制御
1.スマホやWi-Fi普及以前からの認証ゲートウェイ装置
当社製品の現行最新モデルは「POPCHAT-X」シリーズですが、過去のモデルを遡れば、「POPCHAT」の後ろに付く世代ナンバーが「3」や「2」の頃、そして「無印」だった時代があります。
当初のPOPCHAT製品は、今のように様々な施設ジャンルで導入いただく製品ではなく、スマホやWi-Fiが普及するよりずっと以前から、ホテルの客室のインターネット専用の認証ゲートウェイ装置でした。
今回のお知らせ内容というのは、そのような時代から今日に至るまで長期に渡ってPOPCHATをご利用いただいている、主にホテルを中心としたお客様向けにご案内したい、設定値の見直しのオススメでございます。
2.設定値見直し推奨の機能:セッション制御、帯域制御
時代、社会情勢の変化に合わせて、是非、設定値の見直しを行ってもらいたい機能が、以下の2つです。
1)デュアル・セッション制御
2)デュアル帯域制御
どちらも、認証登録されたクライアント端末1台あたりの通信サイズに上限を設けて過度に高負荷な通信を行う端末の出現を監視し、上限オーバーの端末のみを対象に、一時的な通信制限(パケットシェイプや遮断)を実行することにより、ユーザーの端末由来の過負荷によるネットワーク障害をPOPCHATで自動的に防止する、という機能です。
機能名称から分かる通り、監視の単位が異なります。
監視の単位;
1)端末ごとのセッション数(NAT)を監視
2)端末ごとの帯域使用量(Kbps)を監視
ネットワークにおいて帯域が有限であるのは皆様が広くご存じの事かと思いますが、セッション数(NAT)にについても同じく有限であり、どちらもそれぞれ適切な上限を設定してコントロールする必要があります。
機能名に「デュアル」とあるのは、それぞれセッション数や帯域使用量の「閾値」を「2段階」に設定できる特性から来ています。
■デュアル・セッション制御の設定項目
・1利用者あたりセッション数上限(1):____セッション
・1利用者あたりセッション数上限(2):____セッション
・上限オーバー時の通信制限時間:__分
■デュアル帯域制御の設定項目
・1利用者あたりの帯域使用量の上限:____Kbps
・1利用者あたりの帯域制限時の帯域:____Kbps
・上限オーバー時の通信制限時間:__分
閾値オーバーの通信端末のみに適用される「一時的な通信制限」の時間は、お客様ごとに任意の〇分間との設定値を入れていただくのですが、しかしながら、設定した〇分間の経過による制限解除後も、最大60秒のインターバルを見た上で過度な通信が継続されている場合、当該端末による過度な高負荷が収束するまで、同じ制限ロジックが繰り返される仕様です。
そうすることにより、ホテル等施設全体のネットワーク安定稼働を、機械的に持続させる役割をPOPCHAT製品が果たします。
とりわけ、ホテルの客室Wi-Fiや病院の病室Wi-Fiのように、利用者の滞在時間が長く、同時接続2~3人程度であろう自宅のWi-Fi利用時と同じ程度かそれ以上の通信量及び用途で利用される人ばかり、という環境では、過度に高負荷な端末1台発生するだけでも影響が大きいため、上限コントロールは欠かせません。
3.約10年ほど前の頃の推奨/デフォルト設定値
約10年ほど以前、2010年代半ば頃までは、以下の設定値を推奨/デフォルトの設定値としておりました。
■デュアル・セッション制御
・1利用者あたりセッション数上限(1): 500 セッション
・1利用者あたりセッション数上限(2):1,500 セッション
・上限オーバー時の通信制限時間: 15分
■デュアル帯域制御
・1利用者あたりの帯域使用量の上限: 10,000 Kbps
・1利用者あたりの帯域制限時の帯域: 5,000 Kbps
・上限オーバー時の通信制限時間: 5分
上記、これら当時の設定値のままで、長らく見直しされないままご利用いただいていた、主にホテルを中心としたお客様から、サポートデスク宛てに接続状態の不調、不安定に関するご相談のお問い合わせを、最近2~3年で承るようになっております。
詳しく状態をヒアリングさせていただくと、Web会議やWebセミナーのご利用時の不都合というケースが殆どで、設定値の適切な見直しについて、お客様と保守会社ご担当者との間でご検討いただくよう提案させていただき、皆様その実施後は落ち着かれていらっしゃいます。
4.コロナ禍を経た今後のために考慮したい通信量の増大
コロナ前でさえ「インバウンド」の影響もあり、ホテルでは客室稼働率が高い状態で、伴ってWi-Fiネットワークの稼働状況についても、特に宿泊客が晩御飯を外食した後、部屋に戻ってから寝るまでの数時間に、ほぼ全ての客室同時にインターネットを集中して利用、輻輳状態となっていました。
コロナ以前、国内トラフィック量の増加ペースは年率15%程度でした。
日本の総人口は、2004年をピークに急激な減少傾向にも関わらず!
さらにコロナ禍では、それが20%~30%程度にまで高まり、それほどまでに高頻度に長時間・大容量でインターネットを利用する生活のあり様を、コロナ前の状態に戻そうとは、殆どの人が(観光客もビジネスマンも)考えていません。
物凄い勢いでまた戻ってきている海外からの観光客の方々も同様です。
上述のWeb会議やWebセミナーというのは、顕著で分かりやすい例ですが、今後のインターネット通信量というのは、総量の面でも一人あたりの面でも、増える事はあっても減る事は無さそうです。
また今後数年間では、各個人単位での生成AIの使用によるセッション数の増加などもあり得そうです。
セッション制御や帯域制御の設定値について、是非、定期的な見直しのご検討をしてみていただけますでしょうか。
5.POPCHAT-Xシリーズのセッション制御、帯域制御
現行最新モデルPOPCHAT-Xシリーズでは、設定する上限の閾値や通信制限の分数について、POPCHAT-Xに届く通信の「VLAN-ID」をPOPCHAT-Xに予め登録しておき識別させる事で、異なる設定値を振り分けて適用することが可能になっています。
その仕様を活用し、以下のような場所による設定値の使い分けが可能です。
・客室での通信サイズ上限
・ロビーでの通信サイズ上限
・会議室での通信サイズ上限
有限なネットワークリソースですので、施設エリアごとに想定される滞在時間や用途に合わせた最適なバランスで、セッション制御、帯域制御の機能をご活用いただければ幸いです。