お知らせ

お知らせ

News

【セッション編】ゲストWi-Fi利用客の通信サイズ、実際どの位なの?

2024.06.11 メルマガ

シリーズ連載:電波だけのゲストWi-Fiは無防備過ぎて危険です。

電波だけのゲストWi-Fiは無防備過ぎて危険です。

 

お知らせ事項

「コロナ禍の間に国内外のインターネット通信量が増加した」
というのは、諸種のニュース記事にもなりましたし、多くの皆さんが何となく認識されている事だと思います。

では、コロナ禍以降で顕著となっているその「増加」が、実際にホテルの客室Wi-Fiや病院の患者Wi-Fi、あるいは、商業施設や自治体等公共施設のゲストWi-Fiにとって、どの程度の影響、負荷となっているかについて、数字で確認された事は、あまり無いのではないかと思います。

今回のお知らせ記事では、POPCHAT-X製品をお取り扱いいただいている販売店の皆様の、今後のお客様向けネットワーク設計の参考に、当社で確認できている事例情報を共有させていただきます。

  1. POPCHAT-Xによる通信サイズの監視と制御
  2. セッション事例編:POPCHAT-Xの制御ログデータに見る実態
  3. コロナ禍の頃のセッション制御事例
 

 

1.POPCHAT-Xによる通信サイズの監視と制御

 

最近は特に、という感じなのですが、ホテルの客室Wi-Fiや病院の患者用Wi-Fi、商業施設や自治体等も整備している公衆フリーWi-Fiを含めて、来訪客向け開放されたいわゆるゲストWi-Fiというは、例えば交通機関が提供の公衆Wi-Fiで朝夕の通勤時間に顕著なように、調子の悪い時間帯が発生するのは当たり前で仕方ない事、のように思われている方が非常に多数いらっしゃる事に、驚きがあります。
電波だけのゲストWi-Fiは無防備過ぎて危険です。

 

もし、当該Wi-Fiネットワークの構築にあたって、ネットワーク設計が適切な考慮によって行われており、構築後の検証時にも想定通りの結果で問題なかったにも関わらず、そのような不調が発生しているであれば、是非、そのWi-FiネットワークにPOPCHAT-X製品を導入して下さい。

 

今まで仕方ないと考えられていた不調な時間帯の発生が、無くります。

 
 

当社製品の最新モデルPOPCHAT-Xシリーズでは、認証ユーザーが利用される全端末について、

POPCHAT-Xに到達時点での通信サイズを監視します。
そして、ネットワーク全体にとって迷惑なレベルの異様に過度な高負荷通信を検知すると、

の通信制限を適用します。そうする事で、過度に高負荷な通信の発生時間帯において、ネットワーク全体に影響が及ばないよう安定稼働を機械的に制御し持続させる、という機能が備わっています。

 

60秒単位に監視する通信サイズの2つの要素とは、次の通りです。

セッション数(NAT)は、60秒経過時点での都度その瞬間のセッション数について、「過度」である端末を検知します。
帯域使用量(Kbps)では、Windowsのタスクマネージャー等をご覧になって皆さんが分かる通り、ストリーミング動画配信を利用する時の実際のダウンロードデータ量の推移の仕方を考えると、瞬間値で検知する事が望ましくありませんので、60秒間の平均値が「過度」である端末のみを検知します。

 

どちらも、「過度」と検知された端末は、その時点から「過度な通信サイズが終息するまでの間」だけ、通信制限が適用されます。
Wi-Fiトラブル防止機能1.セッション制御と2.帯域制御

 

2.セッション事例編:POPCHAT-Xの制御ログデータに見る実態

 

「他のお客さん達は、実際どんな値を設定しているの?」

 

という質問で、セッション制御の設定値の事例や推奨値について、SIerの皆様からもお客様からも本当に多数お問い合わせいただきますので、今後の参考にしていただければ幸いです。
*関連記事の「帯域事例編」は、後日改めてお知らせいたします。

 
 

POPCHAT-Xをご利用中のお客様のWi-Fiネットワークにおいて、セッション制御機能で実際に稼働中の閾値と、当該閾値オーバーが検知された件数について、発生件数上位のお客様事例を数例ご紹介します。

 

発生件数上位とは言え、コロナ禍より前、それこそ2010年代ではあまり考えられなかったような、大量セッションを使用した閾値オーバーの端末が、物凄い頻度でに検知されています。

 

2024年4月セッション制御の発生状況

事例A:病院(東京、病床約570床)

■設定状況 
・1利用者あたりセッション数上限(1): 500セッション 
・1利用者あたりセッション数上限(2):1,500セッション 
・上限オーバー時の通信制限時間: 5分 
 
■2024年4月セッション上限オーバー件数 
・370件 
・毎日発生、平均12件/日 
 
★一言コメント 
もしPOPCHAT-Xが無ければ、上位ルーターの最大セッション数のスペック次第では、毎日Wi-Fiトラブル続発という発生状況で恐ろしいです。

事例B:某市役所及び関連施設(島根県)

■設定状況 
・1利用者あたりセッション数上限(1): 300セッション 
・1利用者あたりセッション数上限(2):1,000セッション 
・上限オーバー時の通信制限時間: 15分 
 
■2024年4月セッション上限オーバー件数 
・244件 
・毎日発生、平均8件/日 
 
★一言コメント 
恐らく最大セッション数の余り大きくないルーターを設置されているのか、閾値(1)に300セッションという設定値は、平均よりやや小さめです。 
ブラウザのWebアクセスは殆ど問題なく利用可能と思われますが、諸種雑多なスマホアプリが制限にひっかかった可能性が思い浮かびます。

事例C:空港(沖縄県)

■設定状況 
・1利用者あたりセッション数上限(1): 200セッション 
・1利用者あたりセッション数上限(2): 500セッション 
・上限オーバー時の通信制限時間: 1分 
 
■2024年4月セッション上限オーバー件数 
・217件 
・毎日発生、平均7件/日 
 
★一言コメント 
外国人観光客も含めて非常の多くの利用者が想定される為か、リスクヘッジを重視した小さめの上限設定値にされています。ただし、閾値オーバー該当端末に対しての通信制限時間が、「1分」という最小設定値になっていますので、 
・パケットシェイプ 
・遮断 
どちらかの一時的な制限を受けたユーザーに対してもダメージコントロールが配慮された設定値と考えられます。

事例D:シティホテル(東京、客室1000室超)

■設定状況 
・1利用者あたりセッション数上限(1): 500セッション 
・1利用者あたりセッション数上限(2):4,000セッション 
・上限オーバー時の通信制限時間: 60分 
 
■2024年4月セッション上限オーバー件数 
・127件 
・毎日発生、平均4件/日 
 
★一言コメント 
セッション上限数の閾値(1)の方については、近年のホテルの事例としては、やや小さい印象です。 
逆に閾値(2)の4,000セッションについては、且つては違法アップロードに使われる事が多かったが近年めっきり減ったファイル共有ソフトの通信でも遮断せずに、閾値(1)をオーバーした事によるパケットシェイプのみ制限適用、という事になる可能性が高いです。 
閾値オーバー該当端末に対しては、周辺ユーザーの通信パフォーマンに影響のあり得る通信内容を想定して、60分という長時間の制限維持が適用される設定になっている点も特徴的です。 

事例E:ビジネスホテル(福岡、客室500室超)

■設定状況 
・1利用者あたりセッション数上限(1): 500セッション 
・1利用者あたりセッション数上限(2):1,500セッション 
・上限オーバー時の通信制限時間: 15分 
 
■2024年4月セッション上限オーバー件数 
・118件 
・毎日発生、平均4件/日 
 
★一言コメント 
セッション上限数の閾値については、コロナ禍前のホテルではスタンダードだった数値です。Web会議やWebセミナーをホテルで行われる機会が増えた近年では、もう少しだけ高めの閾値が、事例として多くなっています。 
また、検知レベルによってパケットシェイプ又は遮断の通信制限が、当該端末に対して15分間適用される事になりますが、この通信制限時間は、近年ではもう少し短時間で一旦解除し、60秒ごとに再発検知の度にローテーション的に制限を再適用させる設定事例が増えています。

 
 

3.1~2年前、コロナ禍の頃のセッション制御事例

 

コロナ禍の頃、つまり海外からの観光客が殆ど見られなかった頃には、

上記のいずれも、セッション上限の閾値オーバー検知というのは、だいたい月間平均で5日前後~多くても10日程度の発生頻度でした。

 

それが現在では、上述の通り、毎日のように発生する状況になっています。コロナ禍より前はそれより発生頻度高い状況だったとは言っても、現在のような、全国で100以上や200以上のお客様施設で毎日のように発生といった高頻度では、ありませんでした。

 

ホテルで増加しているだけであれば、海外からの旅行客の方々の方が、一人当たりのインターネット利用について、データ量的にも頻度的にも日本人より突出してより活発なのだろう、という事のみが結論で良いのかもしれません。

 

しかしながら、国の内外を問わずインターネットの利用動向が急激に変化しつつあり、Wi-Fi利用客の方々のインターネット利用について、以前と比べると、ブラウザの通信よりも、アプリ(多数のセッションを使う)の通信と動画の通信が顕著に増加傾向だと考えて、間違いないと思われます。また、今後はAIとやり取りする通信が増える事も間違いないでしょう。

 

ゲストWi-Fi環境において、1ユーザーあたりのセッション上限の必要性について、是非、ご提案や設計の段階で考慮に入れていただくださいませ。

 

そして、一時的にでもセッション枯渇を原因とした「遅くなる」「固まる」「停まる」「切れる」と言ったWi-Fi不調を起こさない為の対策としてPOPCHAT-Xの提案、導入>>を検討ください。